大腸内視鏡検査とは


大腸内視鏡検査では、大腸(結腸と直腸)と小腸の一部を観察するために肛門から内視鏡を挿入し、これらの部位に発生したポリープやがん、炎症などを診断します。組織の一部をとって調べたり(生検)、ポリープや早期大腸がんを内視鏡的にポリープ切除術(ポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などで切除することもできます。

(当院で行える場合と、入院を前提として連携医療機関へご紹介する場合があります)

 

事前検査

検査を安全に行うために、全身状態を調べたり感染症の有無を知るために、採血検査やその他の検査を行う場合があります。

 

検査の前処置

大腸の内視鏡検査を行うには、大腸の中を空にしなければなりません。検査の予約の際に渡される説明書に従って準備してください。

下剤を自宅で服用していただく場合と、検査日に来院されてから服用していただく場合があります。

検査前日は原則として検査食を食べていただきます。当日の朝食は絶食です。午後からの検査の場合は昼食も絶食です。

・薬例 プルゼニド・ラキソベロン・ガスモチン(検査前日就寝前服用)+ニフレック法(検査当日服用)

 ただし、排便状態が十分ではないときには下剤の服用を追加したり、浣腸を追加することがあります。

 

検査当日の手順

・診察のあと、指定された場所で検査着に着替えます。

・検査の時間が近づきましたら、点滴を開始し、心電図モニターを装着します。 

・検査室へ移動したら、検査台の上で横になります。

・腸管の緊張を和らげる薬や鎮痛薬、鎮静薬を注射する場合があります。

・おなかに力を入れず楽にしてください。検査時間は患者さんにより多少違いますが、およそ15分から1時間です。

・途中で体の向きを変えたり、おなかが圧迫されることがあります。

・検査中に病変が疑われた時には、特殊な光で観察したり、病変を拡大して観察することがあります。

 生検で組織を一部採取したり、ポリープを内視鏡的に切除して顕微鏡で調べる場合もあります。

 

検査後の行動、注意事項

・おなかが張って来ますので、ガスをどんどん出してください。時間を追って楽になります。 

・最初、水を少しのみ、気分が悪くならなければ食事しても結構です。

・組織やポリープをとった方は、医師の指示により一定期間消化の良い食事をしてください。

・刺激物、脂っこいもの、アルコール類は避けてください。

・検査後、便に少量の血が混じることがあります。

 出血量が多くなかなか止まらない場合や、痛みが続く場合は当院へご連絡ください。                                             

・組織やポリープをとった方は、医師の指示によりしばらく激しい運動をひかえていただきます。

 また、お風呂も長風呂を避け、シャワー程度が無難です。

・最終検査結果は後日となりますので、次回外来診察日をご確認ください。

・鎮痛薬や鎮静薬を使用された場合には、検査当日の車などの運転は控えてください。

 

大腸内視鏡検査の偶発症

ごくまれに出血や穿孔などの偶発症を起すことがあります。また、下剤のために腹痛や出血、穿孔を起こすこともあります。

出血がみられたり、腹痛を認めましたら、施設にすぐに連絡してください。入院や緊急の処置・手術が必要になることがあります。

なお、大腸内視鏡検査および治療に伴う偶発症発生頻度は全国集計(2008年から2012年の5年間)で0.011%(9,091人に1名の割合)でした。